よくダイヤモンドって傷がつくんですか?という質問があります。
ダイヤモンドは宝石の中で最もモース硬度が高いと言われています。
モース硬度は引っかき傷に対する耐久性の事です。
引っかき傷に対してはものすごい強さを持つダイヤモンドですが、この世に傷の入らないものはありません。
査定時に一個のビニール袋に何本ものジュエリーを入れて来られるお客様もいらっしゃいますが、
これは宝石にはかなり危険ですので同じ袋やケースで保管するのはやめましょう。
ダイヤモンドが他の宝石に傷をつけてしまいます。
ダイヤモンド同士だともちろんダイヤモンドにも傷は入ります。
もう一つモース硬度とは別に靱性(じんせい)という破壊に対する耐久性があります。
引っかき傷に強いから石は割れないというわけではありません。
条件がそろってしまえばダイヤモンドでも簡単に割れてしまいます。
市場に出回っているダイアモンドは何らかのシェープ(形)にカットされています。
これは効率よくダイヤに入った光がより多く戻るようにという事ですが、キラキラ光るのはファセットと呼ばれる
平面です。平面で立体を作っているわけですから当然「角」ができますよね。
角の角度も鈍角、鋭角様々ですが特に危険なのはこの角の部分。
ここは机や壁などでコツンと当たるだけで欠けてしまう事もあります。
ダイヤモンドでさえそうなるのですから、そのほかの宝石はもっと危険度が高くなります。
角の他にも内部の不純物の多さや内部にある割れ、歪なんかがあると割れやすくなります。
例えば写真のサファイアの指輪。この中央に入っているサファイアも欠けています。
右写真の6時側の赤矢印の所。ここが欠けてしまっています。
大きく映った写真で見てもわかりませんから、現物を肉眼で見てもなかなかわかりません。
拡大するとこんな感じになります。割れてしまっていますね。
これを直そうと思うと、石全体をカットしなおさなければなりません。
リカットするという事は、重量(キャラット数)はもちろん見た目も小さくなってしまいます。
という事はそのぶん査定額を低くせざるを得ないという事になってしまいます。
普段から宝石を身につけて頂く事はとてもいいことだと思います。
ただダイヤモンドでも割れてしまう事があるという事を頭の片隅に置いておいてください。